カンタン解説|美容クリニック開業における個人輸入薬剤の入手方法について

新規開業する場合、何をどう準備すべきか様々なハードルがあるかと思います。
美容皮膚科クリニックなどで使用する特定の薬剤は、医師自身で手配しなければならないが、どこから調達すべきか分からない場合もあるかと思います。新規開業前に他のクリニックで美容医療に従事していたとしても、全てクリニック側で手配するフローがあったため自身で手配する環境がなかったり、そもそもWeb検索したところで必要とされる薬剤の入手先が明らかになっていない場合があるからです。

弊社には、そのような薬剤の調達に関する問い合わせをいただくこともあります。そこで、この記事では、新規開業医が薬剤を個人輸入で調達する際の手順や注意点について説明していきます。

美容皮膚科クリニックで人気の薬剤

マックームのパッケージ
ポテンツァ専用の薬剤:McCoom

美容皮膚科クリニックで多く用いられる薬剤には、以下のようなものがあります。これらは脂肪溶解から美肌効果アンチエイジング美白まで、様々な施術に対応したものです。

しかし、これらの薬剤は一つの卸売業者が扱っているわけではなく、それぞれ薬剤ごとに取り扱っている会社が異なります。そのため、この中の一つ、もしくは複数を扱っている会社を探し、仕入れることになります。

薬剤名 効果 使用する治療・施術
カベリン(カベルライン) 脂肪溶解 注射
ミラクルH 美肌 ポテンツァ・ダーマペン
アラガン ボトックス ボトックス 注射・ダーマペン
アムニオジェニックス アンチエイジング 注射・ダーマペン・ポテンツァ
エクソソーム アンチエイジング ダーマペン・ポテンツァ
マックーム ポテンツァ ニキビ跡改善 ポテンツァ
ベビーステム 美肌 ダーマペン・ポテンツァ
ヒアルロニターゼ ヒアルロン酸溶解(お直し用) 注射
Mylan社製高濃度ビタミンC点滴 美白 点滴
スネコス アンチエイジング(ヒアルロン酸注射) 注射
クレヴィエル アンチエイジング(ヒアルロン酸注射) 注射
マッサージピール(PRX-T33) マッサージピール マッサージピール
ニューロノックス ボトックス 注射・ダーマペン

医療機器メーカーの提供している薬剤

特定の医療機器と共に使用される薬剤は、その医療機器を提供しているメーカーから直接購入できます(例えばマックームなどのポテンツァ専用薬剤など)。医療機器を購入すると、通常は使用方法や薬剤のオーダー方法、活用方法などを含む詳細なガイドラインを提供してくれます。

メーカー側が薬剤も作っている場合には、その薬剤の効果や研究結果についても資料をもらえるため、患者への説明などに積極的に活用していきましょう。

その他の薬剤の具体的な仕入元など

例えば、既に認可を得ている薬剤の場合、それまでの取引関係がある会社を知っていれば、新規開業に伴い医師側から問い合わせして取引を行うことが可能です。しかし、自由診療の美容クリニックで用いられることも多い海外製の人気薬剤であれば、海外からの個人輸入に頼らざるを得ないことも多くあります。また、薬剤を一括で仕入れる業者が明確に存在しない場合、どこから購入すべきか困惑してしまうでしょう。

具体的な薬剤の仕入元などは、弊社のコンサルティングサービスを通じてもご提供しております。
事前に特定の薬剤についての質問などがある場合は、以下の問い合わせフォームよりお問い合わせください。

個人輸入をする際の手続き

個人輸入は、医師が自己の患者治療や診断使用する医薬品等を輸入する場合等に適切な薬剤を選択することが基本です。そのため、一般的には医師であることを証明する書類や誓約書、委任状の提出が要求されます。具体的には、以下のような委任状を提出することが多いです。

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厚生労働大臣 殿

今後、株式会社○○○へ依頼する医薬品、医療機器の輸入時における、輸入確認申請書等の

必要書類の申請を含む輸入に関する一切の手続きを株式会社○○○に委任致します。また、

当該書類作成以外に使用しないことを条件に、株式会社○○○が医師免許証の写しを保管、使用することを承諾致します。

株式会社○○○

住所

以上

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通常、クリニックが行うことは、このような委任状などの提出と、特定の会員ウェブサイトやメールを通じた発注だけです。一見複雑そうな手続きも、実はそう難しいものではありません。また、関税についても、輸入代行業者がおおよその額や発生可能性を教えてくれます。したがって、予想外の費用が発生することなく、スムーズに取引が進められます。

個人輸入をする際の注意点

注意のマーク

個人輸入制度は、医師等が自己の患者の治療や診断に使用する医薬品等を輸入する場合に自己の判断で薬剤を選択することを前提としています。個人輸入した薬剤をインターネットで販売する行為は、薬事法に違反し、処罰の対象となります。この点には十分ご注意ください。

まとめ

情報が少なく感じられる薬剤の個人輸入ですが、取引先となる会社を見つけられれば、その後の取引はスムーズに行えます。ただし、医師等が自己の患者の治療や診断に使用する医薬品等を輸入する場合に薬剤を利用することが可能であっても、インターネットを通じての販売は法律により禁じられています。個人輸入を利用する際は、この点に十分注意し、適切な取り扱いを行うようにしましょう。

弊社では、薬剤の個人輸入支援をはじめ、保健所との手続きから集客方法に至るまで、総合的なサポートを行っております。
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記事執筆者:Peau編集部
2021年に創業した医療コンサルティング会社のメディア運営チームであるPeau編集部。
クリニック開業支援やメディカルヘルス領域のコンサルティング業務に長年従事してきたメンバーで結成されたライティングチームのため、ユーザー目線と事業目線の両視点からの理解によりメリット・デメリットを明確にする記事を執筆。特に自由診療の美容皮膚科領域に強みがある。

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